はじめに
エッジ・アーキテクチャとは、エッジコンピューティング (デバイス、センサー、サーバー、クラウドなど、広範囲のネットワークで処理または使用されるあらゆる場所) でアクティブなすべてのコンポーネントが含まれる分散コンピューティング・アーキテクチャです。
エッジにおける Red Hat Enterprise Linux
エッジコンピューティング
エッジ・コンピューティングとは、システムのデータまたはそのエンドユーザーに最も近い場所、つまり情報が出入りする場所で行われるコンピューティングを指します。エッジ・アーキテクチャは、レイテンシーとラグを削減することで、より迅速な処理を可能にします。エッジで実行されているアプリケーションやプログラムは、より迅速かつ効率的に動作できるため、ユーザーエクスペリエンスが向上し、全体的なパフォーマンスが改善されます。
たとえば、海運会社の場合、貨物の積み下ろしを行い、出ていく商品をチェックしたり、情報の管理、収集、送信を行ったりする複数のドックのそれぞれが「エッジ」だと言えます。メインのデータセンターを収容する会社の本社が大きく離れた場所にあっても、アプリケーション処理はエッジで行われます。
エッジ・アーキテクチャのコンポーネント
エッジコンピューティング・アーキテクチャには、組織の全体的なデプロイメントの一環として、企業のデータセンターまたはメインサーバーがある中央の場所から外側に向かってすべてのエッジロケーションに分散されたインフラストラクチャ・コンポーネントのエコシステムが含まれます。
これには、コンピュートおよびストレージ機能、アプリケーション、デバイス、センサーのほか、IoT (モノのインターネット) デバイスと連携して動作する中央データセンターまたはクラウドへのネットワーク接続が含まれます。
デバイスとセンサーは、情報の収集、処理、またはその両方が行われる場所です。ネットワークの他の部分からの助けをほとんど、あるいはまったく必要とせず、データをリアルタイムで収集、処理、実行するのに十分な帯域幅、メモリー、処理能力と機能、コンピューティング・リソースを備えています。何らかのネットワーク接続により、デバイスと、一元化された場所にあるデータベースの間の通信が可能になります。
スケールダウンされたオンプレミスのエッジサーバーまたはデータセンターは、容易に移行し、比較的小さなリモートロケーションに収めることができます。企業のニーズが変化し、増大するにつれて、柔軟性とスケーラビリティが必要になります。電源/冷却の断続的なネットワーク接続など、より小さなスペースやさまざまな環境要件に適合する柔軟なトポロジーオプションは、Red Hat がエッジコンピューティングにもたらすもののほんの一部です。
エッジを支える Red Hat
独自のエッジ・アーキテクチャを構築する場合は、エッジの場所や、デバイス、クラウド、サーバー、センサーなどの数に関係なく、企業固有のニーズに対応するコンポーネントのコレクションをアセンブルする必要があります。それは大変な作業であるように感じるかもしれません。
Red Hat のエッジコンピューティング・ソリューションは、プロビジョニング、管理、オーケストレーションの自動化によって運用を単純化し、企業が次にやるべきことに集中できるようにします。Red Hat は、世界中のどこでも必要な場所で行えるエッジデバイスのデプロイに伴う課題に対処し、パートナーのエコシステムを使用して企業に最適なエッジスタックを構築するお手伝いをします。
Red Hat® Enterprise Linux® は一貫性のある柔軟なオペレーティングシステムであり、データセンターからのエンタープライズ・ワークロードを、エッジでのモデリングおよび分析用のデバイスに対して実行するのに役立ちます。一方、Red Hat® OpenShift® は、任意のインフラストラクチャまたはクラウド (プライベートおよびパブリックのデータセンターやエッジロケーションを含む) で、コンテナベース・アプリケーションを構築、デプロイ、管理するために必要なプラットフォームを提供します。Red Hat® Ansible® Automation Platform を使用してエッジワークロードを自動化する と、IT タスクの単純化や運用コストの削減が実現するほか、高度に分散されたエッジ・アーキテクチャ全体でよりスムーズなカスタマーエクスペリエンスを提供できます。